医療から予防へ
昨今新型コロナウイルスをはじめとした感染症が世界中で猛威をふるっています。ワクチンや医薬品による治療だけでなく、日々の生活習慣を改善し予防することに目が向けられるようになりました。私たちは、食品を通じて、人間が本来持っている免疫力を適切にサポートすることで、世界の人々のよりよい生活に貢献したいと考えています。
発酵の技術力を生かした免疫研究
ビールづくりで130年以上発酵技術を磨いてきたキリンは、その研究開発力を基礎として、人間が本来持つ免疫の力に関する研究を35年以上続けてきました。乳酸菌のスペシャリスト小岩井乳業、発酵技術で健康素材を作りだしてきた協和発酵バイオと協力して研究開発を行い、免疫力を高める観点から優れた乳酸菌を複数発見しました。特にLactococcus lactis Plasmaという独自発見した乳酸菌には、免疫の司令塔細胞pDCを活性化する作用があり、実際に感染症予防や症状緩和の効果をもたらす研究結果が出ています。研究を生かして商品化することで、人々の健康に貢献しています。
世界へ広げるー東南アジアでの研究―
私たちは国境を越えて世界の人々の健康にも貢献したいと考え、感染症が深刻な社会問題となっている東南アジアでも研究を行っています。2021年には、マレーシアのマラヤ大学と共同で、Lactococcus lactis Plasmaにデング熱の症状を緩和する効果があることを発見しました。
他社との協働
さらに現在、Lactococcus lactis Plasmaを健康機能性素材としてさまざまな食品企業に提供しています。キリン社製品だけでないあらゆる食シーンを通して、免疫をサポートすることが目標です。
私たちはこれからも免疫研究を続け、感染症予防に取り組み、一人ひとりの笑顔を守っていきます。
- ※2023年4月、「プラズマ乳酸菌」「ヒトミルクオリゴ糖」「シチコリン」をはじめとするスペシャリティ素材の価値を高め、事業計画を力強く実行することを目的に、キリン中央研究所の一部と、ヘルスサイエンス事業部の一部を統合し、ヘルスサイエンス事業本部内に「ヘルスサイエンス研究所」を新設しました。