プラスチック問題に本気で向き合う
軽くて丈夫なプラスチックは人々の暮らしを豊かにしました。一方で、廃棄されたプラスチックは海洋汚染など新たな問題を引き起こしています。持続的な社会の実現のために、ペットボトルを取り扱うメーカーとしてこの問題に正面から向き合う。それが私たちの使命であると考えています。
省資源から循環利用へ
私たちはこれまで、びん、缶、ペットボトル、段ボールカートンなど包装容器全般の軽量化を進め、省資源に取り組んできました。なかでもペットボトルは、技術革新を重ねて軽量化の限界に挑み続けてきました※1。たとえば2Lボトルは20年前と比べると50%以上※2も軽くなり、省資源に大きく貢献しています。
そして現在、省資源を超える次のステップとして挑戦しているのが、ペットボトルを循環利用できる社会の実現です。
- ※1国内最軽量2Lペットボトル アルカリイオンの水
- ※22003年以前は63g、2019年は28.3g
循環利用の技術とシステム構築
循環利用とはどのようなものでしょうか。通常、ペットボトルは石油原料からつくられ、使用後は卵パックや服の繊維へとリサイクルされますが(左図)、使用済みペットボトルを新しいペットボトルへと再生することができれば、石油原料を使用しない循環利用が可能になります(右図)。このようなペットボトルをキリンではR100ボトルと呼んでおり、すでに一部の製品で使用しています。しかし品質や製造適性などの問題で再生回数には限度があり、半永久的な循環は実現できていません。そこで私たちは、何度でも繰り返せる新たな再生技術の開発を通じて、循環利用システムの構築に取り組んでいます。
循環利用のシステムは、技術があるだけでは回すことができません。特に使用済みペットボトルの回収には、市民や自治体の協力が不可欠です。私たちは、使用済みペットボトルを簡単に選別・投入できる回収機を開発し、コンビニエンスストア店舗で実証試験を開始しています。地域の生活拠点と協働することにより、より多くの人に循環利用へ参画してもらい、社会全体の変革につなげたいと考えています。
ペットボトルの便利さを生かしたまま、もっと地球にやさしい容器に。未来に美しい地球を受け渡すことを目指し、私たちは挑戦し続けます。